栗田力樹
Vol.1 2026年ミラノオリンピックを目指しながら企業でインターンをする理由とは

はじめまして!
株式会社B-Bridgeとエコッツェリア協会アスリートインターンの栗田力樹です。
僕は現役のスキージャンプ選手として長野県を拠点に競技活動しながら、週1~2回東京にきてインターン活動をしています。
今後こちらのATHLETE BEYONDのサイトを使って、キャリアについて考えるアスリートやアスリートの支援を考える方に、インターンでの活動についての発信をさせていただくことになりました。
まず初めに、インターンの紹介や僕の自己紹介をさせていただきたいと思います。
アスリートインターンについて
アスリートインターンは、このATHLETE BEYONDのプログラムを運営する株式会社B-Bridgeと東京大手町にあるエコッツェリア協会が、現役アスリートをインターンとして受け入れアスリートの現役時代からアスリートがスポーツ界以外での経験を積むための機会を提供しています。
両社は東京都が推進する創業支援事業「インキュベーションHUB推進プロジェクト」の一環として「アスリートデュアルキャリアプログラム」を行っています。
アスリートデュアルキャリアプログラムでは、実際にビジネスの世界で活躍しているアスリートの方や、さまざまな取り組みをしているスポーツ界の方をお招きしてイベントを行っています。

10/4に行われたイベントの様子
アスリートデュアルキャリアプログラム
https://www.ecozzeria.jp/events/special/DCPJathlete2021-1.html
またこのイベントの会場にもなっているエコッツェリア協会が僕の実際の勤務場所になっています。
エコッツェリア協会は大手町・丸の内・有楽町のまちづくりを推進し、社会課題の解決や、コミュニティ作り、そのためのイベントなどを行い、また会社でも自宅でもない第3の場所として「3×3 Lab Future」という施設を運営しており、僕もこの3×3 Lab Futureに直接出勤しています。
3×3 Lab Futureという名前は、「経済」「環境」「社会」の3つの意味での「3」と、自宅でも会社でもない第3の場所という意味の「3」からきています。
僕はインターンとして、このエコッツェリア協会が取り組む社会課題解決に向けた取り組みに参加させていただいています。
実際は、イベント開催のためのミーティングや事前準備をしたり、3×3 Lab Futureの会員さんとお話ししたり、ここでのインターンの醍醐味はスポーツばかりしていたら関われないさまざまな分野の方と交流できることだと思います。
エコッツェリア協会
https://www.ecozzeria.jp/project/
僕自身の自己紹介
私栗田力樹は現役のスキージャンプ選手です。4年後の2026年に開催されるミラノオリンピックを目指しています。
長野県白馬村という1998年の冬季オリンピックを開催した村で育ち、10歳で本格的に競技を始めました。
高校までは地元の学校に通い、大学はスキージャンプのメダリストをたくさん輩出している明治大学に進学しました。
今年3月に大学を卒業して社会人一年目の世代です。
大学を卒業し、今は栃木県スポーツ協会という所属先で競技をしています。
栃木県では2022年の秋に本国体開催を控えているのですが、スキー選手の少ない栃木県の戦力補強のような形で県の職員として採用され毎月の給与という形で活動費をいただいてます。
ただ栃木県での契約も国体の終わる2022年の3月までの1年限りで、ミラノオリンピックまでのもう4年間の活動の基盤・資金確保をしながら競技をしています。
インターンに参加した理由
僕がインターンに参加した理由は競技者としてのキャリアに限界が見えてきたことです。
先に紹介した通り、今の所属先の契約は国体の終わる2022年まで。冬の国体は2月なので1年限りの契約ですし、そもそもこの所属先の大学4年生の1月、卒業の2ヶ月前になんとか決まりました。そのぐらいアスリートとしてのキャリアは実績的に厳しいラインに立たされています。
もちろん僕の目標は2026年のミラノオリンピックですが、正直来年以降競技ができる保証はありません。
もし競技を辞めるのであれば、何をして生きていくのか、そもそもスポーツばかりやってきた自分に何ができるのか、大学を卒業して1年目にしてそんな悩みを抱えていた中でたまたまこのプログラムを知り合いの方が見つけて紹介していただきました。
スポーツの世界、特にスキーの世界は狭いコミュニティでそれが当たり前みたいな雰囲気もありますが、この世界しか知らないと外の世界では通用しないなとずっと感じていたので、こうして実際にビジネスの現場や、様々な分野の方と関わることのできるチャンスはなかなかないだろうと思い応募しました。
参加してみて感じたこと
ここでのインターンの活動を始めて4ヶ月が経ちました。
僕がここで実際にしている活動としては、エコッツェリア協会の運営するイベントの準備や、その打ち合わせに参加させていただいたり、あとは業務と言われると少し違うかもしれませんが3×3 Lab Futureの会員さんとの交流が個人的に大きな体験だなと思っています。
さまざまな企業の方や、3×3 Lab Futureの会員さん、エコッツェリア協会の皆さん、スポーツばかりやってきた僕が関わることのなかったであろう皆さんとお話ししたり、一緒に仕事をすることで、スポーツしかしてこなかった僕の持っていた世界がいかに狭い世界だったかを痛感しています。
企業の方との打ち合わせも、イベント関係の打ち合わせも、「一般の企業の会議ってこうやって回っているんだ」と感じたりしますし、会員さんやとの交流やイベントに参加することで、今まで自分の生きてきた世界では考えられなかったような考え方や価値観など、とにかく新鮮な体験ばかりです。
ここでの貴重な体験を通してアスリートとして感じたことを、僕の中だけに留めておくのはもったいないと思ったので、アスリートに向けてここでの経験を発信していきたいと思いました。 また、アスリートと普段関わらない人たちにもインターンを通して交流していく中で、トップアスリートの輝かしい姿は皆さん知っていると思いますが、大部分のプレーヤーはそうで無いことや、その現状のようなものはほとんど知られていないと感じました。
なので、アスリート側では無い方に向けても、アスリートのありのままの姿ようなものもお伝えできればと思います。