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Vol.1 インターン活動がJリーガーにもたらす価値とは

はじめまして。今年の6月からアスリートインターンとして働いている森勇人です。
本業は、プロサッカー選手をしています。
J2リーグ、水戸ホーリーホックでプレーし、今年で26歳になります。
プロキャリアは、
2014~2016 名古屋グランパス
2017~2018 ガンバ大阪
2019~ 水戸ホーリーホック
高校卒業後、プロの世界に飛び込んだので、今年で8年目になります。
今シーズンのゲームでJ通算100試合出場を達成し、年齢的にも20代後半に入りプロキャリアも折り返し地点に来ているなと感じています。
このインターンのプログラムに応募した経緯を伝えるのに、もう少し詳しく自分の紹介をして、最後に応募した経緯をお伝えしたいと思います。
主に2つのお話しをします。
① 5年間で1試合の出場。
② 水戸ホーリーホックでのMVPでの学び。
5年間で1試合の出場
上記にもありますが、名古屋グランパス、ガンバ大阪とJ1のチームでプレーしてきました。
ただ、J1のリーグ戦には1試合しか出場出来ませんでした。
ガンバ大阪の時はU23のチームがあり(野球で例えると2軍のような扱い)J3リーグに参戦していたのでそちらに出場していました。
プロの世界は、基本的に単年の契約でプレーしています。(有望な選手や、期待のルーキーなどは複数年契約を結ぶことがある。)
契約期間で結果を残すことが出来なければチームからは必要とされなくなってしまいます。
最初の5年間、名古屋グランパスとガンバ大阪で必死にプレーはしてきましたが結果を残すことが出来ませんでした。
2019年シーズン。3チーム目となる水戸ホーリーホックに加入が決まりました。
過去の2チームでは結果を残すことが出来なかった自分に悔しさと、もっと出来たんじゃないか。という後悔がありました。
だからこそ、このシーズンが始動する時、心に決めていたことがあります。
「自分に出来ることはすべて行い後悔のない毎日を過ごす」
「つまり、24時間サッカーのために時間を使う」
このことを心に決めシーズンに入りました。
例えば、朝誰よりも早くグランドに到着し、ジムでウォーミングアップをする。
トレーニングが終わってからも最後までグランドに残る。
自宅に帰ってからもTV番組ではなく、DAZNでサッカーを見る。
OFFの日は、夜更かししたり、グダグダ過ごすのではなく、ジムに行って軽く汗を流したり銭湯で疲れを癒す。など。
毎日寝る前に、「このままサッカーが出来なくなっても後悔はないか?」
と自問自答をしながら毎日過ごしていました。
その結果、2年目の2020年シーズンから多く試合に出場出来るようになり、今シーズンもコンスタントに出場出来ています。
これが1つ目の変化。
水戸ホーリーホックでのMVPでの学び
先ほどまでは、主に「競技の向き合い方」についての話しをしました。
②については、「何のためにサッカーをしているのか?」
を考えるようになりました。
このMVP(メイクバリュープロジェクト)とは、水戸ホーリーホックで選手向けに行われている研修プログラムのことです。
1週間に1度、様々な分野の講師をお呼びして、講義をしてもらい、その方の「価値観」「使命感」に触れることで自分自身の「価値観」に新たな考えをもたらし、「何のためにサッカーをしているか?」を追及していく。
そんな目的があって行われているプログラムです。
まず、前提としてJリーグのクラブでこのようなプログラムを組んでいるチームはありません。サッカー選手はサッカーを頑張っていればいい。なんとなく、そんな考えを持っていました。
なので、「何のためにサッカーしているか」なんて今までのプロ生活で考えたことがありませんでした。
少しでも長くプレーしたい。日本代表になりたい。もっと給料が高くなりたい…
そんな漠然とした理由しかなかった僕からすると、そのことを追求することが新鮮ですごく楽しい時間でした。
またMVPでは一方的に話しを聞くだけでなく、自分自身の意見を発言する場面もあります。特に僕自身は自分が発言することで気づくことも多くありました。
「誰からも愛され心を揺さぶるプレーヤーになる。」
これが僕のサッカーをするテーマであり目的です。
これに気づいたのがMVPで幼いころの体験を発言した時でした。
5歳のクリスマスイブ。
父と一緒に公園でサッカーの練習をしていました。
その時の課題が、リフティングを10回すること。
これが達成出来ればプレゼントを買ってあげる。(確かこんな約束でした)
ただ、なかなか10回は出来ません。
練習していくうちに周りも暗くなってきました。僕も疲れてきて半ベソかきながらも、父が一緒になってアドバイスをくれていたのでなんとかリフティングを続けます。
そして、やっとの思いでリフティング10回を達成!
2.3時間ほどやっていたと思います。
僕の感情は、
よし!プレゼントがもらえる。嬉しい!という気持ち。
ただそれ以上に、
一緒に長い時間トレーニングをしてくれた父が喜んでくれたこと。
「やればできるじゃん。」と、笑顔で言ってくれたこと。
このことが僕の中でプレゼントをもらうより印象的で凄く嬉しい出来事でした。
こんな昔話をMVPの講義の中に思い出しながら話してました。
そこで気付きました。
僕は、自分がゴールを決めて試合に勝つ。給料が高くなる。
こんな漠然とした理由しかなかった僕が、父との出来事を思い出したことで、
家族や友人をはじめとする周りで応援してくれる人。この人達が僕のプレーで少しでも元気になってもらい笑顔で日々過ごしてもらうこと。
これが出来た時に僕は幸せを感じるんだと気づきました。
そして僕のプレーで元気や勇気を与えられる人を増やすことが自分の活力に繋がることに気づき、そんな思いから、「誰からも愛され心を揺さぶるプレーヤーになる。」
というテーマでサッカーをしています。
これが②を通じて学んだことです。
① ②のことを踏まえて、なぜアスリートインターンに応募したのか。
その理由を最後に伝えていきます。
より良い現役生活を送るためのインターン
アスリートインターンを応募した理由は、より良い現役生活を送るため。
これに尽きます。
もっとうまくなりたい。サッカー選手として成長したい。
何より僕はサッカーが大好きでプロサッカー選手として働けること。このことを本当に幸せに感じています。
だからこそ、現役生活をより長く、より濃いものにしたい。
そのために、自分が成長出来ると思ったことにはどんどんチャレンジする。
そんな考えを持っています。
最初のプロ入り5年間でほとんど試合に出られなかったこと。
しかし、その後、水戸ホーリーホックに加入してから自分自身のサッカーに対する考え方が漠然としていたものが明確になったこと。
これらのことから、このアスリートインターンに応募しました。
僕は、「24時間サッカーのために時間を使う。」この価値観を持っています。
もちろん、インターンとして働く時に、ボールを蹴ったり、筋トレをしたりサッカーのトレーニングは出来ません。
でも、「様々な業種の方々の価値観や考え方に触れる。」ことができます。
これが、自分自身の価値観や考え方に良い刺激となり、人として成長出来ると確信していて、人として成長するからサッカーもうまくなる。
即ち、より良い現役生活になる。
僕はそう信じています。
アスリートの引退後については、多くのアスリートが抱えている問題だと思います。
だからこそ僕は、まずこの幸せな現役生活を後悔なく過ごすこと。
自分に出来ることを今のうちにやりきること。
これがいつかくる引退の時に「もうやりきった!後悔はない!!!」
ここまで競技と向き合うことで、はじめてセカンドキャリアが見えてくると感じています。
もちろん、インターンとして働くことは、サッカー以外の業務を行うので、セカンドキャリアを考えた時にアドバンテージは確実にあると感じています。
ただ、僕が1番大切にしていることは「人としてどうあるべきか」
そう考えた時に、サッカーもインターンでの業務も本質的には変わらなくて、求められていることを考えて行動に移す。自発的にアクションする。
そのほかにも様々ありますが、仕事をする上で大事な部分は、ツールが変わったとしても大きく変わらないと感じています。
(スキルの部分で戸惑うことが絶対出てくるからその準備は大切かもしれない。僕の場合はパソコン全般)
上記でも伝えてますが、だからこそ僕はサッカーに直接は関係のないインターン活動で、様々な業務を経験しながら人として成長していく。即ち、それがサッカー選手としてより良い現役生活に繋がる。
このように考えています。
今回ははじめてということで自己紹介とアスリートインターンに応募した理由について投稿しました。なかなかここまで自分のことを文章にまとめることはないので、非常に良い機会だと感じています。
今後は定期的に投稿していく予定なので、皆さんぜひよろしくお願いします。